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第2回「睡眠薬なしで眠りたい」

3ヶ月以上前に娘の結婚の心配が原因で眠れなくなりました。この問題は1ヶ月前に解決したのですが、今でもねつきが悪く、睡眠不足感が続いています。できるだけ睡眠薬を使わないで眠れるようになりたいのですが、どうしたらいいでしょうか?
(52歳、主婦)

回答

不眠を生じる病気は数多くありますが、最も多いのは、「神経質性不眠」であり、専門的には「精神生理学的不眠」と呼ばれるものです。

 この型の不眠は、心配事やストレスがきっかけで始まることが多いのですが、それが解消しても不眠が持続し、慢性化することがあります。
それは、眠れないのではないかという予期不安が精神や筋の緊張を高め、自律神経の興奮を呼び起こし、ますます眠れなくなるという悪循環が形成されるからであり、中には睡眠恐怖を生じてしまっている人もいます。

どうしても睡眠薬を服用したくなければ、以下の睡眠衛生を守ってみて下さい。
それでも眠れないときは、不眠の原因となっている病気がないかなどについて、専門医を受診した方がよいでしょう。

  1. 睡眠時間には個人差がありますが、あなたは8時間眠らなければならないという誤った考えにとらわれてはいませんか?
    深い睡眠は4-5時間の眠りで全てを取ってしまいます。睡眠不足を補おうとして8時間以上を布団の中で過ごしがちですが、かえって眠れない時間が増えるだけで、そのことが不安を強めてますます眠りにくくしているのです。
  2. 就寝と起床の時刻は一定ですか?
    睡眠は生体時計(体のリズム)によって調節されています。起床時の光は夜の就寝時刻を決定する主要な因子ですので、眠れたか否かにかかわらず朝の起床時刻を一定にすることは重要なことです。
    朝の明るい太陽光は生体リズムを調整し、よい睡眠をとる助けになるのです。
  3. 昼間は活動的に過ごし、めりはりのある生活をしていますか?
    昼寝は午後2時前後に30分以内に留めて下さい。それ以外の時間や長い昼寝は夜の睡眠に影響を生じます。
  4. 就寝前の過ごし方は正しいでしょうか?
    夕食以降にカフェインの入った飲み物を飲んでいませんか?
    アルコールは催眠作用がありますが、連用によって逆に不眠を生じることがあります。
    夜は興奮を生じないように、リラックスして穏やかに過ごしましょう。
    就床1-2時間前に入浴をして下さい。入浴により深部体温が上昇しますが、その後の体温の低下は深い眠りをとることを助けます。
  5. もし心配ごとや気になることがあったら、枕元でメモをして翌日に考えるようにして下さい。
  6. 睡眠のための快適な寝室環境を整えましょう。