うつ病が、誰もがかかることのある身近な病気であると知られるようになってから、ずいぶん経ちます。けれどもいまだにうつ病を、健康な自分とは全く縁のないもののように思っている人や、うつ病特有の思考の中で、たった一人でもがき苦しんでいる人が何と多いのだろうと感じずにはいられません。
 うつ病になったことが無い人でも、気分の落ち込みや不安を感じたことが、一度もないという人はいないでしょう。環境や周囲の人に恵まれているような、心の状態が良い時の私たちは、気分が落ち込むような出来事も、不安なことも、何とか乗り越えていくことができます。しかし、時間に追われ、将来や経済的なことに悩み、心をすり減らすような人間関係の中で過ごしていると、次第に物事の見え方が偏ってきて、気分の落ち込みがより強まり、不安がどんどん大きくなってしまうような「偏った認知」をする状態になってしまう時があります。落として踏んで「歪んでしまった眼鏡」で物事を見ているような状態です。
 認知行動療法ではまず、このあなた独自の「歪んでしまった眼鏡」の特徴に気付くことをうながし、他の眼鏡で見たときにはどんな風に見えるだろうということについて一緒に考えます。大きく見えすぎる眼鏡もあれば、小さく見えすぎたり、より良く見えすぎたりする眼鏡もあります。そういった色々な「眼鏡=認知」があることを知ると、私たちの気分や心身の状態が、どれくらい認知に影響されているかということに気づけるようになるでしょう。その上で、それぞれの場面や状況に合わせて、ほどよい眼鏡を上手に選び、気分の落ち込みや不安を減らしていく練習をするのが認知行動療法の基本です。
 うつ病や不安障害などに悩む人だけでなく、このストレスの多い現代社会を生きるみなさんが、人生を通して役に立つ技術として、繰り返し使うことのできる方法であり、薬物療法に劣らない治療法として注目されています。

●当院における認知行動療法
 当院では、集団(最大6名)で認知行動療法を行っています。同じ悩みを持っている方もいらっしゃるでしょうし、他の方の意見を聞くことで、新たな対処方法に気付くこともあるでしょう。また、様々な専門職(医師・作業療法士・看護師など)が参加しますので、自身で気付かないような考え方の癖や傾向を見つけ、今後の治療に役立てることができます。
 また、当院の認知行動療法には長崎県内(諫早市・大村市・島原市・長崎市・佐世保市など)だけではなく、入院中の方は遠方の方も参加されています。

【日時】
毎月第1~4火曜日(全4回) 13:00~15:30頃
(※火曜日が祝日の時は、別日になる場合もあります)
【内容】

セッション1 認知行動療法についての説明
セッション2~4 グループワーク
参加者の皆さんがストレスに感じた出来事などを取り上げ、試行記録表を用いて、別の視点や次につながるような考えを話し合います。
※思考記録表を記入するなどのホームワークもあります。

【費用】

種別 自己負担額
国保・社保の方(3割) 1回 660円
自立支援医療制度利用の方(1割) 1回 220円
生活保護・被爆者手帳をお持ちの方 自己負担なし

※費用についての詳細は、事務所にお尋ねください。

●参加条件
・主治医により、認知行動療法の適応があると判断された方
・原則として全セッションに参加できる方
・参加の気持ちがあり、自分のことを話すことができる方
(グループワークが主となるため、発言をお願いする事がありますが、話したくないことを無理に話す必要はありません)
・参加者のプライバシー保護のため、参加中耳にした他の方の個人情報を口外しないことをお約束頂ける方

※参加を希望される方は、主治医までご相談ください。
(当院以外に通院中の方は、初診を受けて頂く必要がありますので、まずはご連絡ください。)
※途中参加はできません。希望される方は次クールまでお待ちいただくことになります。
※症状により(気分高揚など)、一時中断をお願いする場合があります。

実際に参加された方の感想
「人間関係で悩んでいたけど、自分にもとらえ方や考え方に偏りがあったことを知れて良かった。」
「人の意見を聞く機会はほとんどないので、貴重な経験になった。」
「自分だけだと、どんどんマイナス思考に考えてしまうけど、他の人の話を聞いて視野が広がった。」

認知行動療法写真②

皆さんのご参加をスタッフ一同お待ちしております。

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